単行本未収録部分紹介(LAST
UP / 2005.5.12)
こちらでは、私がこつこつと収集し続けているバンパイヤ単行本未収録部分(一部)の紹介を致します。カットされてしまった理由も今ではすでにわからない事なのですが、ファンならば描かれた全ての部分を知りたい…!はず!
及ばずながらツッコミ混じりで文章で紹介させて頂きます。
掲載号数も記しておきました。入手を熱望する方の足がかりになればいいかな と思っております。
■秋吉台でのバンパイヤ集会の辺りにほぼ2話分、丸々未収録がありました。
私はこの未収録部分で更にトッペイに惚れました・・・ 削られたのが本当にもったいない箇所です。
●1966年(昭和41年)10月30日号 週刊少年サンデー43号
秋吉台の鍾乳洞でバンパイヤ達の革命にまつわる秘密会議を立ち聞きしてしまった手塚治虫。皆にしらせようと走り出す手塚をトッペイが追いすがって引き留めます。必死でひきとめるトッペイを手塚は、お前だってバンパイヤ族の仲間なんだと足蹴にします。
でもトッペイは「僕の顔をよく見て下さい!耳が生えていますか?ヒゲが生えていますか!?」と返します。
決まりが悪い手塚にトッペイが「満月さえ見なければ僕は立派な人間なんです!先生にまでいやがられてぼかァどうすればいいんですか!?」と言って泣いてしまいます。
「僕の心は2つあって、ひとつは立派な人間でいたいと思うんだけど、もうひとつはけだものの恐ろしい……残忍な気持ちです… ぼくに…もうひとつの心が起きないように、……先生!!ぼくをたすけて下さい! 先生、おねがいします……」と言うトッペイに手塚が「じゃあもう絶対に月なんか見ないで、ぼくのとこで漫画を勉強するか?」と、救いの手を差し伸べます。(うつむいて涙を流すトッペイが非常に色っぽい… というか…トッペイ、すごい重要な台詞を喋ってるよーな気がするんですがこれ何で削ったんでしょうか?トッペイの内面の深さや2面性が色濃く出てる重要なシーンなのに…。
やはりこの時代、主人公の少年にダークな部分の陰りは不必要とか思ったのかしらん。あくまで主人公は一般読者(小学生)に身近であるように複雑な「悩み」を削除。とか? でも同時期にカムイ外伝とか載ってるし… 時代背景関係ないかなぁ…)
そこに大蛇のバンパイヤが現れトッペイに「おまえさんはバンパイヤだよ、人間じゃなくてけものにおなり。けものになるのが当然だよ」
と、そそのかします。(大蛇って所が意味深。しかもこの辺りのトッペイ、手塚に「先生!ぼくをまもって下さい!」とか言って抱きついてみたり「先生、ぼくの手をギュッとにぎって!!」とか言ってみたりと何だか受モード大爆進です。つーか先生…そんなにトッペイに抱きつかれたいのですか(暴言) 台詞だけ見るとまるでBL……)
そこへ丁度満月が現れ手塚が必死に止めたにも関わらずトッペイは変身してしまい、手塚に襲いかかります。
手塚は必死に逃げ出し、トッペイは大蛇の言われるがまま狼の状態で洞穴に戻ります。しかし興奮状態のトッペイは、洞穴にいる犬や猫や馬のバンパイヤ達に襲いかかってしまいます。
丸山によると、トッペイは珍しい純粋のバンパイヤで、完全に獣になってしまうバンパイヤらしく、完全に狼だからこそ犬や猫や馬に襲いかかるらしいのです。(この時点でトッペイは他のバンパイヤ達とは一線を画した所に位置するバンパイヤである事が推測されます。)
興奮状態が冷めず、唸っているトッペイをよそに、再びバンパイヤ集会が再開されますが、それでもトッペイは大暴れしてしまいます。
会議を乱すものは処分しなければいけないと言い、丸山は吸血コウモリの大群をトッペイにけしかけます。
|
●1966年(昭和41年)11月6日号 週刊少年サンデー44号
丸山によって吸血コウモリの大群に襲われるトッペイ。ルリ子は丸山にトッペイを許してやってくれるよう頼みます。
丸山はルリ子に、トッペイについて責任を持ってくれるならば許そうと、ルリ子に要請します。
何とかトッペイと話し合い、仲間に入れてみせると入ったルリ子に丸山はトッペイを許すと言います。
その間にトッペイは吸血コウモリの大群を一掃してしまいます。(傷だらけ、血だらけになりつつ何十匹もの吸血コウモリと戦うトッペイは異常に強いです。えらく男前なその姿にドキドキします)しかしやはりとても無事ではいられなく、心配して駆け寄るチッペイに対し極度の興奮状態のトッペイは近寄るなと一喝し、とうとう気を失ってしまいます。(我を忘れ、あの仲の良いチッペイに「おれに近寄るな!近寄るとのどを噛み砕くぞ!!」って言うんですよ〜。いつも温厚なトッペイとは別の一面です。惚れる。)
バンパイヤ集会も終わり、バンパイヤ達は革命を起こす事を胸に誓い合い解散します。(この辺りからは単行本に収録になっています)
一方、ボロボロの体で逃げ出した手塚は、爺さんに扮装したロックの運転する車に救われます。
しかし救われたと思ったのもつかの間、手塚はロックに車ごと崖から落とされてしまいます。
|
●1966年(昭和41年)11月13日号 週刊少年サンデー45号
手塚を始末し、高笑いのロック。そこへ気絶したトッペイと、人間に戻ったチッペイを乗せたルリ子の車が通りかかります。
崖の下の車を見られてはマズイと、ロックは瞬時に可憐な女の子に変身します。(描きました。ギャラリーの手塚絵の中に入ってます「ロック単行本未収録女装」)
何事かと車を止め、崖下を覗くルリ子に、女の子に変身したロックが、ハンドルをきり損ない、自分は飛び出したから助かったが
車が崖から落ちてしまったと嘘をつき、一緒に東京まで乗せていってくれないかと言います。
承知したルリ子は「あたしの車の中にはおかしなものがいるけど、気になさらないでね」と言います。
ロックが後部座席を見るとそこには自分のよく見知ったトッペイとチッペイが居て、この女は何者かと、ロックはルリ子の素性を怪しみます。
東京へ還る途中の車の中、ルリ子はロックの変装を見破ります(「あなた女の人のなりをしているけど… 男なんでしょう?あたしは鼻がきくの。あなたは女のにおいがしないわ」と言ってロックの顔に自分の顔を近づけクンと匂いを嗅ぐルリ子…。萌え。)
この後舞台は大西家に戻り、大西がロックを養子に迎えようと言うシーン、そしてロックの細工により大西が殺されるシーンへと繋がります。
|
▲2002/10/2 作成
■以下は秋吉台ほど大きな未収録は無いけれど細部が楽しい部分を紹介。
単行本になった時に流れを良くする為なのか、単行本には各回の扉絵がないのは皆さんご存知の通り。毎週結構格好良い扉なので非常に勿体ないです。
前週のあらすじが入った部分や「繋ぎ」の導入部や引きの部分も単行本ではカットしている為、コマを細かく入れ替えたりカットしてるんですね。
手塚先生のそういった部分はもう有名ですが…。結果、マニア心を燃え上がらせる事になってます〜(笑)
ロックが丸薬爆弾を持ってアメリカへ渡った頃の箇所です。
●1967年(昭和42年)2月12日号 週刊少年サンデー7号
アリゲーターの屋敷でFBIに乗り込まれた後、ロックは海蛇男の助力を借りて屋敷から逃げ出します。その辺りにたった2コマですがちょっと可愛いロックが見れます。アリゲーターの手下がロックに「裏口からお逃げ下さい」と海蛇男を紹介し、ロックは海蛇男に背中を押され誘導されます。この時のロックのセリフ「サンキュウ」が妙に可愛いのです。
そのすぐ後、場所は変わり東京みやこ荘。トッペイとチッペイの会話シーン丸々カットされてます。
ロックの屋敷に偵察に行ったらしいチッペイがトッペイに、ロックの屋敷の様子がおかしいと告げます。するとトッペイは「どこで敵に会うかわからないのにあまりフラフラうろつくんじゃない」とチッペイを叱ります。
しかしチッペイは「わいはあんちゃんみたいに弱虫じゃないんだ!」と言い、ずっとアパートにこもっているトッペイを非難し、何故警察に行って自分がバンパイヤだと言わないのか、あれほど下田警部に言おうとしてたのに、と逆にたしなめます。
ふと、チッペイはトッペイの描いているものに目が止まります。トッペイは絵コンテを描いていたのです。
そこでトッペイはチッペイに説明します。「警察に行って真実を話しても、僕がキチガイ扱いか見せ物にされるだけだ」と・・・
バンパイヤ革命が起きてしまう前に日本中の人に知ってもらう為、テレビを使ってバンパイヤの事を知らせるんだ とチッペイに話します。
(なんとあの空港で流れたフイルムはトッペイの絵コンテだった事が判明・・・!)
|
●1967年(昭和42年)3月5日号 週刊少年サンデー10号
この号で、実はロックは本当にフランスへ渡っていたという事が分かります。フランスの前にイギリスにも行ったようですがそこはナレーションのみ。
フランスに渡ったロックはパリのバンパイヤ支部で一仕事をこなし(オープンカーで鼻歌ロック。超ゴキゲン)、宿泊先のホテルへ帰宅します。部屋へ入ると見知らぬ男数人が待ちかまえており、ふいを付かれたロックは後頭部を殴られ気絶。その間に椅子に縛り上げられてしまいます。
目が覚めると結構な数の男達がロックを取り囲んでいます。男達の正体はパリのギャング協同組合で、丸薬爆弾を自分達にも売って欲しいとロックに交渉を持ちかけます。(いわゆるリンチシーン。いつのまにか顔も怪我してる・・・ タバコの煙を吹きかけられたりと、なかなかウフフなシーンですな)
丸薬なんか知らないと、シラを切るロックに、ボスらしき人物が「フフ、少しいためてやれ」と命令します。
そこで手下(なんとスカンク草井だ)が持ってきたのはドライアイス! ロックの顔にドライアイスを近づけ放つ言葉がものすごい。
「そのさくら色のほっぺたに、やけどのひきつりができるぜ」
は?! さ、さくら色のほっぺたって! おおお・・治虫〜〜〜っ何考えて・・・; ロック一体いくつよ・・永遠の美少年・・・。
手塚てんてーの中でロックのほっぺたはさくら色なんですね。 てかドライアイス拷問って何よ・・・ギャングのくせに可愛い拷問するじゃないの(笑)
しかしロックは隙を付き、仕込み靴(針出る例のアレ)で手下を撃退。
ロープを切り丸薬爆弾をボスと側近の口の中に投げ入れます(名投手になれます)
慌てふためくギャング達。巻き添えはゴメンと我先に逃げ出します。 ここで続く。
結局爆発はした模様。それは空港でルリ子がロックに言った台詞で分かります。ちなみに次の号でロックの脱出シーンはありませんでした。
|
▲2005/3/27 作成
現時点で入手済みのものを紹介致しました。
実は1度、2004年の始めに某所で、雑誌掲載された全てのバンパイヤ(第1部)を見せて頂く機会に恵まれまして、そこでザッと見た所、大きな変更箇所はやはり秋吉台の所が一番でした。他は細かいものばかりで特筆するような部分は無かったと記憶しております。
その中で目を惹いたのが海外でのロックの未収録部分。ここはどうしても現物が欲しくて…。探しまくって実際手に入れるまでには結構時間かかってしまいました。 (金もかかった・・・;)
こうして見ると、未収録のあった部分の前後には確かに不自然なセリフや状況があったりします。
いつトッペイはこんな大怪我したんだ?あの大蛇なんだったの? とか、パリの爆発事件って何? とか・・・。
よっぽど注意して台詞の一つ一つを疑ってかからないと気付かないような感じですが、未収録と繋げて見ると結構納得のスジになります。
第2部が掲載されていた「少年ブック」はマイナー誌ゆえ、なかなか市場でお目にかかる事も少ないんですが、たまにお目にかかる「少年ブック」では、手塚先生の絵ではない変テコな絵や特集ばかりが目立ってたように感じます。ドラマと連動してたせいですね。笑いが欲しければ手に入れてみるのも一興かと。
友人からコピーさせてもらった未収録部分は第2部でした。ここはトッペイが手塚先生に漫画を送って、手厳しい評価と共に返されたというちょっと笑えるエピソードでした。
ひょっとしたら他にもあるかもしれませんね。 地道に私も探しますが、情報を持ってらっしゃる方がいましたらそっと教えて頂けると泣いて喜びます。
最後になりましたが、私設サイトといえど未収録部分を公表してしまう事は、結果的には手塚先生の意図と反してしまう事なのかもしれません。
手塚先生的には「無くて良し」と判断したからこそカットしたのではないかとも思えます。
しかしここで公開した行為は決して手塚先生を貶めようとして行った行為ではない事を了承して頂けると幸いです。